この記事は、渡航前のプレ駐妻さんや現役の駐妻さん向けの内容です。
同じ駐在妻でないと理解されないことが出てくるから似た境遇の友だちが欲しい。でも独特な環境の中でホンネを話せる人と出会うこと自体が難しい。という矛盾が、孤独を感じやすい原因だと思うんです。
これを読むと、
駐在妻独特の人間関係、孤独対策のヒントになるかもしれません。
わたし自身のアイデンティティロスと、これまでの活動で100名近くの駐在妻さんと接してきた経験から、一人でも多くの方が充実した帯同生活となるよう、ありのままの情報を発信しています。
もちろん全員に当てはまるわけではないですが、参考になれば幸いです。
駐在妻独特の人間関係
短期間で心許せる友だちを作る難しさ
あなたの日本にいる友だちは、何年来のお付き合いですか?学校や職場これまで数えきれない出会いがあった中で関係が続いている、貴重な存在ではないでしょうか。
異国の地で生活に慣れたころ、恐らく現地で友だちが欲しいな~と感じると思います。しかし、
・期間限定の短期間で
・出会い自体が少ない中
・年齢もバックグランドも価値観も違う
・共通点は「駐在妻」
という中で、ぴったり気の合う方と出会えたら奇跡、くらいの確立だと思えてきませんか。そもそも大人になってからの友だち作り自体難しいと言われています。
心を許せる友だちが、一人でもできたらラッキー。そのくらいに思っておけば、現地での人間関係が楽になるかもしれません。
当たり障りのない会話で終わる
いくら似た境遇(渡航時期や年齢、子どもの有無、住んでいる地域など)であっても、初対面の相手にあらゆる身の上話ができるかといったらきっとそうではないですよね。きっと主婦としての当たり障りのない会話で終わることが多いでしょう。
ライトな関係がいいという方もいらっしゃると思いますが、なんか物足りないなと感じる方は、ホンネを話せず一人で気持ちを抱えてしまうかもしれません。
マウントはあるのか?
よく聞かれるのですが、あるところにはあるし、ないところにはないです。なぜかというと、人によって感じ方や線引きが異なるから。Aさんの発言が、わたしは何とも思わなかったけど、Bさんにはマウントに聞こえるということがあるからです。
難しいなと思うのが、相手と仲良くしたいと思って質問したり、自分のことを知ってほしくて話をしていたら、相手にとって地雷だった、というケース。
夫の会社や仕事のことは話さないなど、暗黙のルール的なものもあったりしますしね。
だから必然的に当たり障りのない会話になってしまう、ということなのかもしれませんね。
夫の序列=妻の序列、の奇妙な関係
これは会社の奥さま同士の繋がりがある場合です。同じ会社なので、上記暗黙のルールは必要ないですし、渡航後割と早く関係を築ける利点もありますが、夫の序列が妻同士にも反映されるという奇妙な関係が繰り広げられることがあります。
それをどう感じるかはあなた次第ですが、家族同伴の集まりが頻繁にあって、メンタルを病んでしまったケースも聞いています。
結局は相手の奥さまとの相性、ということなんでしょうね。
なかなか理解されない気持ちと、いざというときの駆け込み寺がない
日本の友だちにもだんだん言いずらいことや理解されないことが出てくるかもしれません。駐在妻ならではの、もやもやした気持ちがあるからです。
また仮に家出したいとなっても一時帰国も大変です。いざというときに近くに頼れたり、気持ちを分かってくれる人がいないと孤独を感じてしまうかもしれません。わたしもそうでしたが、プロに頼る、に抵抗がある方も多いです。
予想外のこととのたたかい
以下は実際に帯同して分かった予想外だったことです。
夫が日本にいた時より忙しい(人もいる)
会社や仕事によりかなり差がある印象ですが、働き方改革はかやの外です。残業ばかりで話す時間もない、月の半分出張でいない、休日も出勤、来訪者対応など、日本にいた頃より忙しくなる人もいます。
現地の生活に慣れる前に夫を頼れない状況だと、特に辛いと感じるかもしれません。
個人的には夫の忙しさ、が帯同してから分かった一番予想外のことでした。逆に駐在中の方が忙しくないというケースもあります。
駐在期間が読めない
たくさんの駐在妻さんと接してきて、決まっていた通りの期間で帰国した方はごくわずか。たいてい予定より短くなったり伸びたりしています。せっかく友だちができても相手が先に帰ってしまうことがあります。そうなるとふりだしに戻る、出会いと別れの繰り返しです。
友だちを作るにしても、何か新しいことを始めるにしても先が読むことが難しい。特にコロナ後は帰国時期が未定、という方が増えました。
帰国後も続くマイノリティ
逆カルチャーショックという言葉を聞いたことがありますか?
海外で生活すると、視野が広がったり新たな価値観を得たり良い面がありますが、反面日本に帰国してから逆に違和感を感じることです。現地では疎外感を感じることもあった上に、帰国したらしたでホンネを話しずらい、ということが起こり得ます。
海外かぶれの人をポカホンタス女子と呼ぶそうです。かぶれたつもりで話してるわけじゃないと思うんですけど、相手がどう感じるかってほんと難しいですね。
孤独を感じないために
早めの行動と複数のつながり
早くから生活を安定させているなと感じる方は、 友だちを探すにしても、趣味やコミュニティに参加するにしても、 行動が早いしフットワークが軽い傾向にあります。もちろんあなたが現地でどのような生活を送りたいかによります。
今の時代リアルだけでなく、SNSやオンラインでのつながりも簡単に探せます。周りに日本人がいない、という環境であっても、たくさん交流の場があります。居心地の良いつながりを複数持っておくことが、孤独を感じないために有効です。
また、似た境遇の方には親近感がわきますが、それだけに固執しないことも有効です。仮に年齢差があっても良い出会いがあるかもしれませんし、日本人以外の友だちを探すのもいいかもしれません。
遠慮せず誰かを頼る
もし少しでもメンタルの不調を感じたら、人間関係構築よりも、もやもや解消のための行動を先にした方が良いでしょう。
もやもやが悪化、長期化してしまうと抜け出すのに時間がかかってしまいます。気持ちが整えば、自然とわくわくして行動しているものです。不調時に無理して行動するよりも、誰かを頼って、まずは気持ちを整えてくださいね。
まとめ
今回は駐在妻の独特な人間関係についてお話しました。
なぜ孤独を感じがちかというと、
・短期間で心を許せる友だちができたら奇跡
・当たり障りのない会話で終わることが多い
・仲良くしたいと思ってもマウントと感じることもある
・夫の序列で奥さまと接することもある
・いざというときに近くに頼れる人がいない
予想外の事態としては、
・味方の夫が忙しすぎる(こともある)
・せっかく友だちができても先に帰国してしまう
・帰国したらしたでポカホンタス女子と思われる可能性も
孤独を感じない為の対策としては、
・わくわくする気持ちがあるなら、フットワーク軽く行動、がおすすめ
・複数のつながりを持つ
・もやもややメンタル不調を感じていたら、無理して行動よりもまずは気持ちを整える
特殊な環境でも、一人でも多くの方があなたらしく健やかに過ごせますように(^^)